静岡県郷土唱歌
空の灯の録音でお世話になったスタジオ「T2オーディオ」から、とても興味深い、新しいお仕事をいただく。 「静岡縣郷土唱歌(上巻・下巻)」という本があって、文字どおり静岡県の名所や同郷の偉人たちのことを歌った曲が、上下合わせて28曲載っている。 昭和11年発行という代物だが、誰も知らない曲ばかりで、ネットなどでも録音どころか歌詞すら発見できない。 当時、少年少女だった方々には、歌った記憶がひょっとしたらあるかもしれないのだが…。 戦中、戦後を乗り越えずに埋もれてしまったのかもしれない。 世の中にはそんな曲が沢山あるだろうと思う。 タイトルは、 富士登山 蜜柑採 八丁池 天城山 石廊崎 山田長政 等々 本格的に静岡県である。 これを、1曲ずつコードをおこして、アンサンブルにして録音しよう、というお仕事だ。 主旋律の譜面と、歌詞だけしか書いていないので、どんな和音になるか、ちょっとずつ解析している。 まるっきりふつうに弾くと、ザ・童謡という感じになる。 ほぼ3コードである。 それもいいが、ちょっとだけコードを崩してみると、何とも情緒ある楽曲に変身する瞬間がある。 これが、とても面白い作業だ。 でも、う~む、28曲かあ…。 先は長いぞ~。 富士登山 さ霧うすれて 朝風涼し 麻の草鞋に 露ふみしめて さあさ、登らう 我等が富士へ 富士は薔薇色 茜色