癒やし

連日猛暑が続いているが、ひそかに秋の準備も始まっている。

青い柿の実が大きくなったり、夜には涼しい風が吹いて、秋の虫たちもチリチリと鳴き出した。

虫の音を、窓際で聴くともなく聞いていると、とても心地よい。

「癒やし」とは無条件でなければならないと思う。

歌には歌詞があり、タイトルはイメージを操る。
そこには、「意味」や「メッセージ」が乗っている。

“音楽に癒やされる”というのは、誰しも持っている体験だろう。
でもそれは意外と、ラブソングに共感して切なくなったり、新しい言葉に考えが変わっただけではないだろうか。

意味やメッセージは、音の出る方を向いてもらうための鍵だ。

言葉は条件を作って限定していくことしかできない。
ある考え方を持てば、違う考え方とは敵対することになる。

そこに葛藤が生まれて、癒やしとは反対の感情が生まれる。

音楽の本当の目的は、自然に、何かが整っていくことだと思う。

利害や、同じ考えを持つという条件でなく、無条件に他人とつながっていくこと。

それが一番の癒やしだ。

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